エミールガレの
ガラス技法



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エミールガレを指導者として、発展して行ったアール・ヌーボーナンシー派のガラスに対するテクニックは、その後のガラス工芸の基礎をなしたことは間違いありません。そんな数多くのテクニックの一部をご紹介していきます。

パート・ド・ベール
■パート・ド・ベール
ガラスを粉々に砕いて、耐火石膏の型に入れ、窯の中で焼き上げ、ゆっくり冷却後磨き上げて作ります。
色ガラスを自由に調合できるので、豊かな表現が可能になります。


■エナメル
エナメル
色ガラスを砕いて顔料を作り、油と混ぜて絵の具を作り、ガラスの表面に描いていきます。
その後、焼き付けてガラス表面に固定させます。色ガラスにより透明なものと不透明なものがあり其の性質を利用していろいろな表現が可能です。


アップリケ
■アップリケ
まだ熱いガラスに先に用意した色ガラスで作ったデザインを貼り付けます。
さらに削りだし凹凸を付けて完成です。
まさにガラスの彫刻です。


■被せガラス
被せガラス
何種類もの色ガラスを重ね着させ、その後に表面から彫刻を施し深く彫る事により下の色が現れ変化にとんだ模様を出すことができます。
重ね具合や厚さにより同じガラスでもまったく別の雰囲気になります。


アシッド
■アシッド
フッ化水素と硫酸の混合液でガラス表面を腐食させて模様を彫り出す方法です。
化学的に表面を溶かして模様を出すこの方法はよく知られており多様されています。
表面をつや消しにするときにも利用できます。


■エモー・ビジュウ
エモー・ビジュウ
ガラスの表面に金・銀・プラチナなどの箔を溶着し、さらにその上から透明又は、半透明のエナメルを焼き付けて、まるで宝石のような輝きを出させます。


サリッシュール
■サリッシュール
ガラスの表面に金属酸化物の粉末を部分的にまぶしつけ、斑紋をつける方法。
いろいろな酸化物を使用することによって、複雑な色調のついた模様を表現できる。
通常は、失敗作になるところをあえてそれを変化と考え、作風にした。


■アンテルカレール
アンテルカルール
透明ガラスまたは、半透明ガラスでデザインされた色ガラスをはさみ、
さらに表面から彫刻することにより下の色ガラスのデザインが透けて見え重なりのある遠近感をもった作品にすることができる。


マルケットリー
■マルケットリー
熱いガラスに細かい色ガラスを付着し、再び過熱して融合させます。
凹凸感のあるデザインとなり、また融合部の色の変化など独特の雰囲気を出せます。
しかし、かなりの卓越した技術が必要な技法です。


■グラヴュール
グラヴュール
金属円盤を回転させて、ガラス表面を削っていき模様を出していくべーシックな技法です。
日本の切子ガラスなどもこの方法が使用されています。
これも長い鍛錬と技術が必要な方法です。


ペルル・メタリック
■ペルル・メタリック
透明・半透明のガラスの間に、金・銀・プラチナなどの箔を挟み込み出来上がった作品に金属の輝きを与える技法です。


■カボション
カボション
製作途中のガラス表面に小さな色ガラスの塊を付着させ、昆虫の目や花の中心にアクセントを付ける技法です。


ジヴレ
■ジヴレ
酸の腐食作用によってガラス表面を荒らし霧状の模様をつける。化学的な処理による技法。


■スフレ
スフレ
はじめから雌型を作っておいて、その中にガラスを吹き込んでデザインをしていく技法。



★★ちょっと豆知識!★★

●ガラスは何から出来ているのでしょう?

ガラスの原料は何?と聞かれたら、一般の人が想像するのは、おそらくビンとか板ガラスのカレット(屑)ではないかと思います。

実際はまず『珪砂』が必要です。「珪砂」?。そう、たとえば幼い日、公園で遊んだ砂場の砂と、ガラスに使用される珪砂は、基本的に大差はありません。余談ですが、真っ白い砂浜で有名な和歌山の白浜の海岸には、ガラスにも使用されるオーストラリア産の珪砂が時折投入されるそうです。

ガラスの原料としては、まず珪砂。しかし、珪砂だけだと、よほど高温にしないと、ガラス状にならないので、いろんな原料を入れます。一番多いのが、「ソーダ灰」。ソーダというとソーダ水みたいなイメージですが、正式には「炭酸ナトリウム」(Na2CO3)という名称の白っぽい粉です。
それから、「炭酸カルシウム」(CaCO3)。これも白い粉で、基本的には、学校の運動場で引かれる白線の白い粉を想像してもらえれば、いいと思います。

この「珪砂」、「ソーダ灰」、「炭酸カルシウム」が一般に良く使われるガラスの3大原料なのです。ですから、この汎用ガラスの事を、「ソーダ石灰ガラス」と呼ぶこともあります。この言葉に対応するガラスとして、「硼珪酸ガラス」(「硬質ガラス」とも呼ぶ)という言葉があります。耐熱ガラスなどに用いられます。

さて、一般のガラスの原料にはその3つの原料が主に使われるのですが、さらに要求される特性に応じて、様々な原料が入れられます。たとえば、鉛。みなさん良くご存じのクリスタル・ガラスと称するガラスは、通常は鉛クリスタル・ガラスを指します。
あの、かつては水道管にも使われた(現在は使用されていないようですが)、白っぽい金属の鉛がガラスの中に成分(酸化鉛)として入ると、輝きや光沢が増し、屈折率も大きくなって、ガラスをよりキレイに見せます。
またガラスを溶融、成型する際にも、鉛が含まれている方が、より作業しやすくなります。ガラスの中に含まれる量は、多いガラスで24%(本来の鉛クリスタルはこの含有率が要求されます)から、4〜5%まで。鉛の含有率が高いほど、ずっしりと重い感じで、カットなどの加工もより容易になります。

ところが、最近環境問題がクローズ・アップされて、鉛も問題視される傾向があります。果たして、鉛が環境にどうしようもなく悪いのか、という議論はさておき、鉛を入れないで、クリスタルのような輝きを持ったガラスを作る試みがなされています。


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